カン・ドンウォン主演、2005年韓国映画
「オオカミの誘惑」でアクションスターばりの切れのいい動きを見せていたカン・ドンウォンが刺客としてのダーク・ヒーローになって登場。
ただし、今回はアクション映画として見るとがっかりする。アクションの無骨な部分を排除し、”舞い”舞踊的な部分が強調されているからなんだけど。ラストシーンの主演二人の舞いはタンゴな雰囲気。
この場面は二人の悲愴な対決シーンだと思っていたんだけど(そうだったら多分あたし大泣きしてたかも)、実際は遂げられなかった思いが絡み合うラブラブなシーンだったとは・・・(それでもいいんだけど、ちょっと期待はずれかな。デュエリストっていうぐらいだから、最後は2人の闘いが見たかったよなぁ)
なので、”スーパー歌舞伎”はたまた”ロック歌舞伎”?てな印象の映画でした。
112分の韓国版を日本公開用にと104分に再編集、よりエモーショナルな部分が強調されているのも要因でしょうか。
カラフルで凝った映像、ワイヤーアクション、スローモーションの多様などチャン・イーモウの「HERO」を彷佛とさせるものがありますが、そこまで完璧な映像美というわけではありません。むしろ映像が凝り過ぎた感は否めず、主役二人が笑いあいながら和んでいるシーンなど、不要と思われるシーンもあったりして、映像的にいい素材があるのですから編集さえ完璧ならなぁと(映画はそこが肝なんだとわかる映画でもあるけど・・・)、あたし的には「惜しい!」映画でした。
しかし、しかしです、カン・ドンウォンが登場すると画が一変、彼のクールな佇まいと不気味なぐらい妖しい美しさはこの映画の最大の見所だと言い切ってしまいます。彼本来のもつ華でもあるんだろうけど、アラン・ドロンや市川雷蔵に似たものを感じます。それはアクションの切れのよさや美しさだけではなくて孤独の陰というのか、そこにいるだけでなにか悲しい感じ(時にはかなげ、な感じ)がするんだよね。彼にもそうした孤独の陰を感じてしまいました。
ここで演じた”悲しい目”はとても現実離れしたキャラ。生きてても死んでるような不思議な存在感。ドラマは顔芸、映画は身体表現が大事だと思うんだけど、立ち姿が決まってる彼はとても映画世界が似合う人だと思ったなあ。予告編の「デス・ノート」見てたら、韓国版は彼でやったら面白いかも・・・とふと思ったり。
名もなきダークヒーローのシリーズ化を望みたいところですわ。
素顔はかわいいドンウォン君となんか焦点の定まらないダークヒーロー”悲しい目”(睨みきかせてほしかったよなあ、こちらも惜しい!)
丸の内プラゼールにて。顔はよく似てます。しっかし顔ちっちぇー